Netflix: 睡眠予定を粉砕するコンテンツの巨人

Netflixとは

Netflixとは、「もう1エピソードだけ」という嘘を自分につきながら深夜まで見続ける、現代人の自己管理能力を粉砕するストリーミングサービスの帝王である。2007年に配信サービスを開始し、今や「寝不足の主要因」として世界的に認知されている。

Netflixは「何を見るか」という究極の選択をユーザーに強いる。映画やドラマのライブラリは膨大なのに、なぜか30分スクロールした末に『フレンズ』の再視聴で落ち着く。まるでデートスポットを決めるカップルのように、選択肢が多すぎると逆に何も決まらないという人類の弱点を巧妙についている。

回線が遅い日に限って、サスペンスの決定的瞬間で「バッファリング中…」と表示されるのは宇宙の法則だ。この瞬間、ユーザーは「光回線に変えよう」と心に誓うが、翌日には忘れてまた同じ地獄を繰り返す。Netflixは我々の忍耐力と諦めの境地を育てるデジタル禅寺とも言える。

「あなたへのおすすめ」には、なぜか一度も見たことない韓国ドラマが並ぶ。「視聴履歴を分析」と謳いながら、実はランダム推薦説も囁かれる。ちなみに、家族アカウントで「子供プロフィール」を作ると、なぜか大人がこっそり『PEAKY BLINDERS』を見ているのは内緒だ。

Netflixは「コンテンツの量＞質」という方針で、毎週のように新作を投入する。その結果、『怪奇鳥獣図鑑』のような「一体誰が求めてた？」作品も生まれるが、たまに『ストレンジャー・シングス』のようなヒット作で我々を驚かせる。まるくじを引く感覚で、当たりを探すのが楽しい（はず）。

Netflixと付き合うコツは「終わりの時間を決める」ことだが、それは「次のエピソードが自動再生される5秒前」に破られる。自己責任で楽しむべし。